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「イッセイ」が新展開、「ヨウジヤマモト」で耀司さんの歌を聞く、「セリーヌ」でLISAを追え!

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パリコレ5日目は、朝一にショーがあった「ロエベ(LOEWE)」を着ている人が目立ちました。「イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)」の新デザイナーデビューや「セリーヌ(CELINE)」など、大きなショーが目白押し。気合入れて取材します!でもちょっと眠いです!

 「ロエベ(LOEWE)」ブランドパロディがじんわりよいショーを見せてくれました。「ロエベ」のショーはいつもじんわりよいのですが、今回はじんわり~~~とより滋味深い。ミラノサローネなどで発表したクラフトワークからデザインを発展させるのが、最近のジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)のストーリーの作り方。レザー使いはもちろんのこと、売れているカゴバッグも原点は、工芸品としてのカゴでした。今回は布のクラフトであるレースにフォーカス。スイスなどのレースから広げモダナイズしています。服の向こうに世界中の名もなき人たちの知恵と生活が透けて見えるようで素敵です。オートクチュールを持たないラグジュアリーメゾンの生きる道を切り開いていますね。

 「イッセイ ミヤケ」の新デザイナー、近藤悟史さんのデビューショーは成功だと私は思います。モデルが手をつないでクルクル回るフィナーレなどから、1980~90年代の「イッセイ ミヤケ」がフラッシュバックし、そこから同社における三宅一生さんの存在感の大きさを痛感します。だからと言って古く見えるわけじゃない。あの頃イッセイさんが見せていた“手をつないでひとつに”の世界観は今こそ必要なのだと思います。近藤さんの色のセンスが若々しくて◎。

 「ニナ リッチ(NINA RICCI)」のショーが終わり、バックステージに向かうと若い2人のデザイナー、ルシェミー・ボッター(Rushemy Botter)とリジー・ヘレブラー(Lisi Herrebrugh)が喜びを爆発させる姿がありました。カワイイ。明後日インタビューをよろしくね!とだけ伝えて去りました。

 「オリヴィエ ティスケンス(OLIVIER THEYSKENS)」は前回に続いてオフィスでショーでした。小鳥が飛んでいる柄の古い壁紙がロマンチックです。ずっと前、オリヴィエが「ニナ リッチ」のデザイナーだったころ、長いまつげをしばたいて「僕、小鳥になりたいんだ」と話していたことをここに来ると思い出します。小鳥のように可憐な少年から大人になったオリヴィエですが、得意なデザインが変わらず、シャープなテーラードやドレスです。

 フランスの靴ブランド「クレジュリー(CLERGERIE)」の展示会で「コーシェ(KOCHE)」とのコラボを発見。左右の靴底にそれぞれのロゴがデカデカと入っています。クレジュリーのデザイナーいわく「同じ職人気質同士、フランス人同士、あうんでわかる感覚もあるんだ」。

 「ルッツ ヒュエル(LUTZ HUELLE)」のショーに久しぶりに来ました。フロントローは、長年のファンとおぼしき人たちと「張り切って見に来た!」若い人たちで2分されています。そして隣はポメラニアン。って何それ!?動画のこの人はどうやらシートを持たずに入り、ポメラニアンパワーで座っちゃってます。ズルい!けど癒されちゃいました。

 「ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」の服にはバッグが似合わない、が持論でした。私が考える「ヨウジ」の女性像は、ポケットに手を突っ込んで少し猫背で一人で歩いているから。ハンドバッグを持つと手がふさがり、自由を奪われる気がするのです。ですが、前言撤回!今回のショーのフィナーレ前に登場したバッグは、「ヨウジ」スタイルを奪うことなく実用性もありそうです。

 それにしても、最近の「ヨウジ」のショーで気になるのがBGMの一部が耀司さん自身の歌声だということ。その声は少年のように優しいです。さらに今回は「神田川」も流れました。ファッションショーのBGMに「あなたは、もう、忘れたかしら~」なんて聞いたことありません!服がエレガントなだけにそのギャップが日本人的にはツボ。ニヤニヤするな、という方が無理な話です。

 このパリコレ日記の初日にご紹介した弊社のソーシャルエディターの情報の取り方は私とは全然違います。隣にいても謎ですがソーシャル上で起きている波を常時キャッチしており、“〇〇のコミュニティーで、この波来ています”と教えてくれます。まさにサーファーが波をキャッチするがごとく。「セリーヌ」でも、BLACKPINKのLISAが来場することを、それこそLISAが韓国を出国する段階からキャッチしていました。会場前にもその情報をキャッチしたファンが大勢!まさに熱波がそこにある、という感じです。ぜひLISAが会場を去る時の動画でその熱狂をご確認ください。

 エディ・スリマン(Hedi Slimane)による3シーズン目の「セリーヌ(CELINE)」は、すでに安定の粋。キュロット以外にも話題になるそうなアイテムがそろっていたので展示会後に別途リポートいたします。

 LISAパニックを経てクタクタになるも、「アシックス(ASICS)」とロサンゼルス発の「シーツーエイチフォー エルエー(C2H4 LA)のコラボ発売パーティーがセレクトショップ「ヌー(NOUS)」であると知り、旬なキーワードのオンパレードに見てみたい欲が出て立ち寄りました。「ヌー」は、コレット(COLETTE)のバイヤーだったセバスチャン・シャペル(Sebastien Chapelle)が手掛ける店です。会場にはおしゃれキッズがいっぱいで盛り上がっておりましたが早々に退散。部屋に戻って10分後には速攻でお休みなさい!